巌立
巌立は岐阜県指定の天然記念物で、高さ72m、幅120mの大岩壁です。溶岩が冷えて固まったときにできた柱状節理により、太さ数十cmの柱が並んでいるように見えます。
約5万4千年前に御嶽山の噴火によって流れ出した溶岩流の末端部分で、御嶽山から約17km下流に位置します。この溶岩流全体は摩利支天山第六溶岩流と呼ばれ、岩石は両輝石安山岩です。2007年、御嶽山が日本の地質百選に選定されたとき、巌立もその一部として扱われました。
溶岩流の断面
巌立は約5万4千年前の安山岩質の溶岩で形成された日本一の溶岩流の断面です。同様の岩壁が上流17キロにわたって続いています。根尾滝コースにあるあまどり岩は、巌立の2倍の高さで約150mの溶岩です。また、巌立はかつて下流の小巌立と繋がっていましたが、椹谷によって約300m流されて分断されました。