30夜を超える熱狂
郡上おどりでは、「かわさき」「春駒」「三百」「ヤッチク」「古調かわさき」「げんげんばらばら」「猫の子」「さわぎ」「甚句」「まつさか」の10曲が演奏され、それぞれに対応する踊りがあります。踊りは基本的に簡素で、初心者や観光客でもすぐに踊れるようになります。
踊りの中心は「屋形」という可動式の木造2層構造の舞台で、三味線・太鼓・笛の伴奏に唄囃子や掛け声が加わります。「まつさか」は最後に踊る曲で、拍子木と歌のみで踊り、片付けの手間が少ないためです。
歴史と伝統
郡上おどりの起源は、中世の念仏踊りや風流踊に由来すると考えられています。江戸時代初期には、郡上藩主が領民親睦のために奨励したため盛んになり、城下町全体を舞台とした盆踊りへと発展しました。1996年には国重要無形民俗文化財に指定され、2022年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。
踊り方
郡上おどりの特徴は、踊り方が自由であることです。屋形と呼ばれる車輪付きの舞台を中心に、輪を作って踊り、曲ごとに異なる振り付けを楽しめます。初心者でも簡単に踊れるシンプルな動きなので、誰でも気軽に参加することができます。浴衣や下駄を履いて参加すると、より楽しめます。
徹夜おどり
郡上おどりの最大の見どころは、なんといっても徹夜踊りです。毎年8月13日から16日までの4日間、夜通し踊り続けるこのイベントには、来訪者はおよそ25万人に達します。全国から多くのファンが集まり、明け方まで踊り続けます。華やかな衣装をまとった踊り手たちの熱気と、笛や太鼓の音色が織りなす光景は圧巻です。
忘れられない夏の一夜を
奥美濃の山々に囲まれ、吉田川に沿って築かれた城下町、郡上八幡は、7月中旬から9月にかけて、夜になると笛や太鼓の音とともに唄声が響き渡り、踊りが始まります。地元の人も初めての人も一緒になって大きな輪を作り踊ります。
郡上おどりの会場は、夜になると提灯でライトアップされ、幻想的な雰囲気になります。休憩したり、食事を楽しんだりできる屋台が多数出店しています。郡上おどり期間中には、郡上八幡の町全体が活気にあふれ、祭り一色になります。
郡上八幡博覧館
郡上おどりの開催時期以外にも、郡上八幡博覧館では通年で踊りの実演を見学でき、郡上おどりの歴史などの展示も常設されています。