自然と歴史が調和する美しい空間
園内では、国名勝の東氏館跡庭園や県史跡の篠脇城跡など、歴史的に価値のある遺産を見学できます。また、ぼたん園や篠脇遊歩道、山野草の自生地も整備されており、自然散策にも適しています。
春には桜、季節には色鮮やかなぼたん、秋には紅葉と、訪れる時期によって異なる景色を楽しめます。年間を通じて、短歌や自然を生かした催しも開催されています。
敷地内には、地元の食材を使った本格フランス料理を味わえる「レストランももちどり」もあります。美しい自然に囲まれながら、ゆったりとした時間を過ごせます。
和歌の歴史と文化に親しむ
本ミュージアムは、光や水、空間を生かした設計が特徴です。立体回廊型の和歌文学館や、和歌文学に関する研究書を収蔵する和歌図書館などを通して、日本の和歌文化を深く知ることができます。
この地にゆかりのある東氏の9代目、東常縁(とうのつねより)は、『古今和歌集』の解釈などを師から弟子へと秘伝の形で伝える「古今伝授」の祖とされています。こうした歴史的背景から、和歌を中心とした文化施設として整備されました。
国名勝 東氏館跡庭園
中世の武将文化を今に伝える、優美な池泉庭園
東氏館跡庭園は、鎌倉時代から室町時代にかけてこの地域を治めた東氏の居館跡に造られた庭園です。東氏の居城として知られていた篠脇城跡に対し、居館の正確な場所は長らく明らかになっていませんでした。
昭和54年(1979年)6月、篠脇城跡の麓で行われていたほ場整備工事中に、多数の陶器片や建物の礎石が発見され、東氏の館跡であることが確認されました。
その後の発掘調査で優れた庭園遺構が見つかり、中世武将の庭園として学術的価値が認められました。昭和62年(1987年)には国の名勝に指定されています。
現在は庭園がほぼ完全な形で保存され、広々とした芝生や池泉部分が整備されています。池を中心とした回遊式庭園ならではの、落ち着いた景観を楽しめます。
和歌文学館
約1,300年にわたる和歌文学の歩みをたどる展示施設
和歌文学館では、「古今伝授」をテーマに、日本の和歌文学の歴史を紹介しています。万葉集の時代から現代までの約1,300年間を10枚のパネルに分け、各時代を代表する歌人を通して文学の流れを学べます。
館内には、三十六歌仙にちなんだ長さ36メートルの「古今和歌集絵巻」が展示され、古今和歌集の代表的な歌を絵巻で紹介しています。
さらに、与謝野晶子や若山牧水など、近代以降の歌人の短冊や書簡、三十六歌仙屏風なども展示されています。和歌に詳しくない方でも、日本の詩歌文化に親しめる施設です。
東氏記念館
東氏記念館では、鎌倉時代から室町時代にかけてこの地域を治めた東氏に関する歴史資料を展示しています。
主な展示品は、東氏館跡から出土した品々や「古今伝授」に関係する史料、天皇の御製短冊などです。地域の歴史と和歌文化のつながりを知ることができます。
篠脇山荘
自然の景色を楽しみながら、歌会や茶会を開ける趣ある建物
篠脇山荘は、一部に茅葺屋根の面影を残す、鉄骨造り・銅板葺きの建物です。屋根はもともと茅葺でしたが、老朽化に伴い銅板葺きに変更されました。
室内は大きな板ガラスとトップライトから自然光が差し込み、明るく開放的な空間となっています。床の間の飾りは季節に合わせて変わり、訪れるたびに異なる趣を楽しめます。
濡れ縁からは、池の水面に映る篠脇山の景色や、水面に反射する光を眺めることができます。篠脇山荘は、歌会や茶会、コンサートなど、多目的な場としても利用されています。
レストラン ももちどり
地元の食材を生かした本格フランス料理と四季の風景を楽しむ
レストラン「ももちどり」では、地元出身のシェフが、地域の食材を使った本格的なフランス料理を提供しています。
店名は、「さまざまな鳥たちが集い、さえずる様子」を意味する、古今伝授に伝わる秘伝の鳥の名前に由来しています。
前面がガラス張りになった店内からは、季節や時間帯によって表情を変える山紅葉や花々、竹林などの景色を眺められます。移り変わる自然の風景を楽しみながら、ゆっくりと食事を味わえるのが魅力です。
四季折々の自然と文化を満喫
古今伝授の里フィールドミュージアムは、和歌の歴史や東氏ゆかりの文化遺産を学べるだけでなく、庭園や遊歩道で自然の美しさにも触れられる施設です。
歴史散策や文学鑑賞、季節の花々の観賞、地元食材を使ったフランス料理など、さまざまな楽しみ方ができます。郡上市を訪れた際には、日本の伝統文化と自然が調和する静かな空間で、心豊かなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。