岐阜県中津川市山口にある「道の駅 賤母」は、中山道の宿場町をイメージした風情ある建物が特徴の道の駅です。木曽路の玄関口として、豊かな自然と歴史、そして地元の味が堪能できるスポットとなっています。
賤母の特産品として人気なのが、地域の米を使ったオリジナル商品やメニューです。特に「いもやこもち」や「からすみ」、「ほうば巻き」といった郷土料理が注目されますが、何と言ってもおすすめなのが「ごへーもち」です。この「ごへーもち」は、くるみと落花生が入った香ばしい味噌味が特徴で、単品での販売はもちろん、食堂では「ごへーもち定食」も提供されています。
「ごへーもち」は、多い時には1日に2000本も売り上げるほどの人気商品です。木曽・中津川北部で一般的な団子状の五平餅で、細かく砕いたクルミと落花生が加わった味噌味が絶品です。また、食堂では「ごへーもち定食」も提供されており、豊富なメニューの中で特におすすめの一品となっています。
道の駅賤母の食堂では、ユニークなネーミングが魅力のメニューも楽しめます。例えば「お化けそば」という一風変わった名前のメニューは、たぬきそば(天かす)ときつねそば(油揚げ)を組み合わせたもので、「たぬきときつねの化かし合い=お化け」という発想から名付けられました。くすっと笑える名前がついているメニューは、食事をさらに楽しませてくれる要素の一つです。
道の駅賤母では、地元の特産品を中心に、地域限定のお土産を豊富に取り揃えています。特に注目すべきは、「おふくろ工房」で手作りされる「杵つき大福餅」や「からすみ」、「地元産そば粉を使用したそばまんじゅう」などです。季節限定の「栗きんとん大福」や「ほうば巻き」も大変人気があり、多くの観光客に喜ばれています。
地元農家が育てた新鮮な野菜を販売する「寄ろまいか」コーナーは、朝早くから多くの人々で賑わいます。また、地酒や地ビールなどの酒類も充実しており、中津川市内の銘酒を手に入れることができます。地域の「おふくろさん」たちが作る伝統的な加工食品や季節の食材を使った商品も魅力です。
道の駅賤母の周辺には、中山道の宿場町として有名な馬籠宿や妻籠宿があり、江戸時代の風情を残した街並みを散策することができます。これらの宿場町は、島崎藤村のふるさととしても知られ、文学と歴史が融合する観光地として人気があります。
道の駅賤母には、「東山魁夷・心の旅路館」が併設されており、日本を代表する風景画家である東山魁夷のリトグラフや木版画作品が展示されています。この施設は、1995年(平成7年)に開館し、東山魁夷から寄贈された約500点の版画作品を所蔵しています。木曽路の自然を題材にした美しい作品の数々は、訪れる人々に深い感動を与えます。
この施設は、1994年(平成6年)に東山魁夷から旧長野県木曽郡山口村へ版画作品約500点が寄贈されたことがきっかけで設立されました。2005年(平成17年)に山口村が中津川市に編入されたことに伴い、中津川市が運営を引き継ぎ、現在に至ります。
道の駅賤母は、木曽路ドライブの途中に立ち寄るのに最適なスポットで、郷土料理や特産品を楽しみながら、歴史と文化に触れることができます。併設された「東山魁夷・心の旅路館」での芸術鑑賞や、周辺の宿場町を巡る観光は、訪れる人々にとって忘れられない体験となるでしょう。