安国寺は、岐阜県高山市にある臨済宗妙心寺派の寺院です。飛騨三十三観音霊場11番札所としても有名で、特に国宝に指定されている経蔵は必見です。
歴史と栄華
室町時代初期に、足利尊氏と直義兄弟によって建立されたと伝えられています。その後、飛騨の戦国時代の争乱に巻き込まれ、1564年の兵火で焼失しましたが、江戸時代初期に再建されました。
最盛期には七堂伽藍と九つの塔頭を擁する大寺院でしたが、戦乱で多くの堂宇が失われました。現在残っているのは、本堂、開山堂、熊野神社、経蔵などです。
見どころ
国宝 経蔵:1408年に建てられた禅宗様建築の経蔵です。内部には輪蔵(回転式の経蔵)があり、制作年代の明らかな輪蔵として日本最古のものとして貴重です。
重要文化財 塑造瑞巌和尚坐像:1392年に作られた塑造(粘土で像を作る技法)の坐像です。中世には珍しい塑造作品であり、瑞巌和尚の生き生きとした表情が伝わってきます。
安国寺 塑造瑞巌和尚坐像
重要文化財 熊野神社本殿:安国寺の鎮守社である熊野神社の本殿です。三間社流見棚造りで屋根は杮葺き。飛騨の神社建築のルーツを知る上にも貴重な建物です。
安国寺 熊野神社本殿
その他: 七堂伽藍と九つの塔頭があったという記録が残っており、最盛期には大規模な寺院だったことが伺えます。
国宝 経蔵:日本最古の輪蔵
安国寺の見どころは何といっても、国宝に指定されている経蔵です。1408年に建てられた禅宗様建築で、内部には輪蔵(回転式の経蔵)が納められています。この輪蔵は、制作年代の明らかなものとしては日本最古であり、大変貴重なものです。
重要文化財 塑造瑞巌和尚坐像:生き生きとした表情
重要文化財に指定されている塑造瑞巌和尚坐像も必見です。1392年に作られた塑造(粘土で像を作る技法)の坐像で、瑞巌和尚の生き生きとした表情が伝わってきます。
重要文化財 熊野神社本殿:飛騨の神社建築のルーツ
安国寺の鎮守社である熊野神社の本殿も重要文化財に指定されています。三間社流見棚造りで屋根は杮葺き。飛騨の神社建築のルーツを知る上にも貴重な建物です。
その他の見どころ
安国寺庭園: 池泉回遊式庭園で、四季折々の景色を楽しめます。
梵鐘: 江戸時代初期に鋳造された梵鐘で、国の重要文化財に指定されています。
安国寺薬師堂: 飛騨三十三観音霊場11番札所として祀られている薬師如来を安置しています。