宇津江四十八滝は、岐阜県高山市国府町宇津江にある渓谷と滝です。宮川(神通川)の支流である宇津江川の上流に位置し、一連の滝を総称したものです。岐阜県の名勝および県立自然公園に指定されており、1982年には「21世紀に残したい日本の自然100選」、1986年には「岐阜県の名水50選」、2004年には「飛騨・美濃紅葉三十三選」に選ばれています。
その名称から四十八筋の滝があると思われがちですが、実際には主に十三筋の滝からなります。「四十八滝」と呼ばれる理由は、『よそ八伝説』からです。
標高1,200mの滝上川を源とする四十八滝川は、急峻な谷あいに大小無数の滝を造り出し、苔むす大樹や岩を縫い、水煙を上げて落下する滝群は四季折々に装いを変えます。この自然の造形美は、訪れる人々に秘境そのものの魅力を提供します。滝の頂上にある上平滝までは約880mあり、園内は石畳が整備されており、所要時間は約1時間です。
渓谷内は標高900mに位置し、ブナ、ナラ、クルミなどの大木が茂り、貴重な山野草も見られます。公園内はキノコ・植物・魚類採取禁止で、清掃協力金にご理解・ご協力ください。滝の登り口にはレストハウスがあり、軽食を提供し、無料のつえの貸し出しも行っています。冬季には氷ついた滝をスノーシューなどで訪れる人も多く、キャンプ場や花の森山野草花園も併設されています。
宇津江四十八滝を構成する滝は以下の通りです(高さを記載):
昔、この地には「よそ八」という若者とその母親が住んでいました。病気の母親のためによそ八はイワナを釣りに出かけ、大蛇の住む大沼にたどり着きました。大蛇ににらまれて寝込んだよそ八を、旅の娘が数十日間看病し元気になりましたが、その娘は「私は大沼の大蛇です」と告白し姿を消しました。
よそ八は大蛇を空へ昇らせるため、旅の行者に相談し、不動明王に断食願掛けを行いました。21日間の祈祷の末、大蛇は龍となり天に昇り、大沼の水はなくなり谷間に大小の滝ができました。弘法大師(空海)はこの話を聞き、「よそ八は四十八、つまり仏法四十八願の意味である」と言い、これが宇津江四十八滝の由来となりました。
宇津江四十八滝県立自然公園は、標高1,200mの滝上川を源として流れ出し、急峻な谷あいに見事な滝群を造り出しています。公園内にはレストハウス、キャンプ場、温泉施設、山野草花園などが整備され、訪れる人々に多くの楽しみを提供しています。特に秋の紅葉と滝の組み合わせは美しく、訪れる人々の目を奪います。
滝の登り口にはレストハウスがあり、軽食を提供しています。周辺にはキャンプ場や温泉施設もあり、併せてレジャーを楽しむことができます。山野草花園は特に初夏の美しさが一際素晴らしく、クリンソウ、ユリ、アジサイなどが訪れる人の目を楽しませます。
宇津江四十八滝の一角にある山野草花園「花の森」では、クリンソウ約15万本、ササユリ約2万本、アジサイ約5千本が咲き乱れます。これらの花々が織りなす景色は訪れる人々の目を楽しませます。
クリンソウ: 5月下旬から6月中旬
ササユリ: 6月中旬から下旬
アジサイ: 7月中旬から8月上旬
園内の遊歩道は舗装されており、車いすの方もご利用いただけます。
花の森・四十八滝山野草花園は、自然の地形を生かして作られており、白樺、ナラ、ホウノ木、スギ等の森林の中に、野の花や山の花の群生が広がります。クリンソウ、ササユリ、アジサイを中心に楽しむことができ、時期によってはショウジョウバカマ、ミズバショウ、オミナエシ、ショウブ等の植物も見ることができます。
花言葉: 幸福を重ねる
クリンソウは北海道南部から本州、九州の山麓や湿地に生える多年草です。高さは15~40cmで、葉には多くのしわがあります。花は花茎を中心に車輪状につき、それが数段に重なる姿が仏閣の先端部分(九輪)に似ていることから名付けられました。
開花時期は5月下旬から6月中旬で、約150,000本が咲きます。
花言葉: 上品
ササユリは本州中部以西の山地や丘陵に分布する多年草で、葉がササに似ていることが名前の由来です。淡紅色の気品のある花が初夏を彩ります。
開花時期は6月中旬から7月上旬で、約20,000本が咲きます。
花言葉: ひたむきな愛情
アジサイは5月から7月にかけて、ピンクや青色の花を咲かせます。雨にぬれても元気なことから、梅雨の時期の代表的な花です。
開花時期は7月上旬から8月上旬で、約5,000株が咲きます。
園地面積: 約35,000㎡
植栽面積: 約28,000㎡