高山祭
高山祭は年2回ありますが、春と秋では祭を行う神社も地域も全く異なり、各祭には異なる屋台が使用されます。春は日枝神社、秋は桜山八幡宮の例祭です。
屋台の保存と展示
飛騨の匠たちが作り上げた屋台は、江戸時代後期にその技術が最高潮に達し、現在も美しい形で保存されています。屋台は優雅な外形と細部にわたる気配りが特徴です。屋台は年に一度の祭礼日にしか曳き出されため、高山祭屋台会館では貴重な文化遺産である本物の屋台を一年中間近で見ることができます。また屋台はすべて2~3百年も経っているため、保存と展示を両立させるミュージアムになっています。
屋台の特徴
高山祭の屋台の特徴は、均衡の取れた優雅な外形と細部にまで行きわたる細かな気配りにあります。木工、塗り、彫刻、金具、織り、染め、絵画、人形など、多様な技術を結集させたものです。こうした職人技の粋を統合し、一台の屋台として仕立て上げた旦那衆の美意識と、それを大切に守り伝えてきた町人の情熱によって、現在も屋台を目の前で見ることができます。
高山祭屋台会館の展示
11台の屋台のうち4台ずつを交代で展示しています。昼は煌びやかに、夜は幻想的に、日本三大美祭を名乗るにふさわしい高山祭の山車がそのまま展示されています。天井高11mの展示空間で、屋台のてっぺんから車輪の真横まで、祭屋台のすべてを間近で見ることができます。
高山祭のハイライトである「からくり奉納」では、布袋台のからくり人形が見どころです。9人がかりで36本の操り糸を使って動かすこのからくり人形は、非常に精巧で、生きているかのように見えます。
桜山日光館
高山祭屋台会館の附設施設で、大正時代に33人の技術者が15年の歳月をかけて製作した日光東照宮の模型を展示しています。陽明門や本殿、拝殿、五重塔など28の建物と鳥居などが実物の10分の1スケールで再現され、総数50万個もの部品が使用されています。
桜山八幡宮
飛騨山中に両面宿儺(りょうめんすくな)という凶族を討伐するために、朝廷より飛騨国に入った武振熊命が戦勝祈願のために桜山(櫻山)の神域に先代の応神天皇を祀ったのに始まると伝えられています。
境内には、火防鎮護の神「秋葉神社」、菅原道真公を祀る「天満神社」、五穀豊穣や商売繁盛の神「稲荷神社」、海上交通安全の「琴平神社」、武勇の神や歯の神を祀る「照前神社」といった末社があり、散策しながらゆっくりとお参りできます。
秋の例祭(八幡祭)で曳き出される屋台の保存と展示のため、境内に高山祭屋台会館が開設されました。