光ミュージアムは、岐阜県高山市中山町175に位置する総合博物館です。以前は「光記念館」として知られており、公開承認施設および県の登録博物館として、地域文化の発展と国際交流の推進を目的としています。
建物はマヤ文明の建物をモチーフにしており、内装の多くは左官の挾土秀平の尽力により制作されています。展示室は大きく3つに分かれており、自然史展示室、人類史展示室、美術展示室から構成されています。自然史展示室は約12000点、人類史展示室は約2000点、美術展示室は約1000点の収蔵品を有しています。
美術展示室では、浮世絵と近代日本画、洋画を展示しています。浮世絵は肉筆浮世絵約420点と版画約220点を合わせて約650点ほどを収蔵しています。肉筆浮世絵は、かつて那須ロイヤル美術館にあった小針コレクションを、閉館後に散逸の危機から救うため一括購入したものが中核となっています。
近代日本画は、横山大観、竹内栖鳳、上村松園、前田青邨、棟方志功などの作品を所蔵しており、洋画はモネやゴッホなどを所蔵しています。その他に、アウレリア・ムニョスやロバート・ラウシェンバーグなどの現代アートや、市川米庵、比田井天来、手島右卿などの書のコレクションも充実しています。
人類史展示室では、旧石器の打製石器、メソポタミア文明、ギリシャ・地中海文明、エジプト文明、インダス文明、メソアメリカ文明、中国文明、縄文土器等の古代遺物、アンデス文明の文物を展示しています。飛騨展示室には化石や岩石のほか、古代飛騨地方のジオラマや恐竜の実物大模型もあります。
光ミュージアムのコレクションは、自然史、人類史、美術から構成されています。展示内容は浮世絵、近代日本画、洋画、モダンアートにわたり、特に肉筆浮世絵や近代日本画のコレクションが充実しています。
国宝
太刀 「銘 康次」
重要文化財
太刀 「銘 了戒」
重要美術品
「月下漁夫図」 谷文晁 寛政8年
「猿丸集断簡(伝)藤原行成」
「後陽成院宸翰消息」
「冨嶽三十六景」葛飾北斎
「東海道五十三次」歌川広重
「名所江戸百景」歌川広重
肉筆浮世絵
「見立琴高仙人図」紙本着色 宮川長春
「日・龍・月」紙本着色 3幅対 葛飾北斎
「日蓮」葛飾北斎
近代日本画
「三美人之図」上村松園
「牡丹睡猫」速水御舟
「不二霊峰」横山大観
「瀑布」菱田春草
「罌粟」前田青邨
「夜桜」加山又造
「今様浅妻船」鏑木清方
光ミュージアムは1999年4月8日に開館し、当初は美術館と考古学博物館の機能を備えた「光記念館」としてスタートしました。開館当初から中部建築賞を受賞し、2002年には岐阜県教育委員会から「登録博物館」として認可を受けました。2007年には文化庁から「公開承認施設」として認可され、国宝や重要文化財を展示する施設として広く利用されています。
2013年に「光ミュージアム」へ名称変更し、2017年には一般財団法人化されました。