南宮と歴史
南宮大社は岐阜県不破郡垂井町にあり、旧称は南宮神社です。式内社(名神大社)、美濃国一宮で、旧社格は国幣大社、現在は神社本庁の別表神社です。
南宮大社は、崇神天皇の時代に創建されたと伝えられています。平安時代中期の『延喜式神名帳』には「美濃国不破郡 仲山金山彦神社」と記載され、名神大社に列しています。
南宮山の山麓に位置し、「国府の南に位置する宮」として「南宮」を名乗るようになりました。主祭神は金山彦命で、全国の鉱山・金属業の総本宮として信仰を集めています。境内には江戸時代の遺構18棟が残り、国の重要文化財に指定されています。式年遷宮は51年ごとに行われます。
朱塗りの鳥居
南宮大社の境内を南門から西へ進むと、南宮稲荷神社があります。ここには、京都の伏見稲荷に似た朱塗りの鳥居が並んでおり、静かな参道を楽しむことができます。
貴重な刀「刀 銘三条」
南宮大社が所蔵する「刀 銘三条」は、三条宗近の作品で、日本に五振りしか現存しない貴重な刀剣です。この刀は国指定の重要文化財であり、宝物殿は毎年文化の日(11月3日)にのみ一般公開されています。
御神木「白玉椿」
白玉椿は南宮大社の御神木で、白く美しい椿です。この椿は古くから常盤木として珍重されており、宮中で行われる豊明節会の際には巫女が椿の枝を持って京都御所に赴き、庭で舞を納めました。
文化財
重要文化財(国指定)
南宮神社(18棟)
本殿、幣殿、拝殿、回廊(2棟)、勅使殿、高舞殿、楼門、神輿舎、神官廊
摂社:樹下神社本殿、高山神社本殿、隼人神社本殿、南大神神社本殿、七王子神社本殿
輪橋(石輪橋)、下向橋、石鳥居
造営文書(623冊)
工芸品
太刀 銘康光:備前国長船の名匠、室町時代の作品
太刀 銘三條:平安時代の名刀、三条宗近の作品
鉾(無銘)2本:奈良時代の鉄製の鉾
重要無形民俗文化財(国指定)
南宮の神事芸能