歴史
博物館の前身は、1896年(明治29年)4月に害虫駆除と益虫保護の研究のために開設された名和昆虫研究所です。この研究所は当初岐阜市白木町にありましたが、1904年(明治37年)に現在地に移転しました。
名和昆虫博物館は1919年(大正8年)10月26日に開館しました。建物は開館当時のもので、洋風2階建て(設計:武田五一)です。建物の柱には唐招提寺のシロアリ被害を受けた柱が使用されており、明治洋風建築の貴重な建築物として1996年(平成8年)に登録有形文化財(岐阜県第1号)に登録されました。
展示内容 1階展示室
ギフチョウ物語
名和昆虫研究所の設立者である名和靖によって発見されたギフチョウを、実物標本や生態写真パネルなどを用いて多角的に展示しています。また、ギフチョウの生態展示も行っています。
世界のカブト・クワガタ
世界中の大型種や有名種のカブトムシ、クワガタムシを中心に展示しています。「カブト・クワガタ特選コーナー」では、大型のヘルクレスオオツノカブトや100mmを超えるクワガタムシ、奇クワガタムシの代表であるダルマクワガタなどの逸品が展示されています。
チョウたちと出会えるところ
岐阜市近郊を中心に、野外で見られるチョウの仲間を展示しています。「岐阜公園」「里山 I」「里山 II」「雑木林」「渓谷」「高原」などの地域でよく見られるチョウを、生態写真とともに展示しています。
世界の珍虫・奇虫
歩く宝石カブリモドキ、飛ぶ宝石タマムシやコガネムシ、美しいガ、世界最大のセミ、奇虫テナガコガネ、世界最大を競うコガネムシなど、見どころ満載のコーナーです。
身近な昆虫
身近な昆虫をテーマに、昆虫の分類学的展示を行っています。
展示内容 2階展示室
世界の美チョウ
「飛ぶ宝石」と形容されるミイロタテハ、翅の裏面が非常に多彩で美しいカザリシロチョウ、世界で最も豪華で華麗なトリバネアゲハなど、目を見張る美しいチョウたちが多数展示されています。
クイズで学ぼう!遊ぼう!不思議な昆虫の世界
実物標本を使った13問のクイズを通じて、昆虫の不思議な世界を体験できる展示です。
特徴
春には羽化したばかりの「ギフチョウ」を見ることができます。また、博物館の西側には1919年(大正8年)に名和靖の還暦を祝って建てられた昆虫供養の昆蟲碑があります。
名和昆虫博物館と隣接する記念昆虫館は、時代を感じさせる美しい洋館であり、その建物の魅力も訪れる価値があります。1907年(明治40年)に建てられた洋風建築物で、当初は特別昆虫標本室として展示が行われていました。標本の保存のために高床式になっており、岐阜市指定文化財です。